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細川歯科医院

住所
〒173-0012
東京都板橋区大和町18-10
田中ビル2階

電話番号
TEL:03-3964-8217
FAX:03-3964-8229

時間・定休日
平日 10:00~13:00  14:30~19:30
土曜  10:00~13:00

休診日:木曜・日曜・祝祭日
(勉強会の都合により変更あり)

医院案内&アクセス

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お悩み内容

痛い

歯医者さんを受診するきっかけの大半がこの「痛み」によるものです。
痛みを引き起こす原因は多数あります。
代表的なものとしては、むし歯が神経近くまで達してしまった場合や、根の先に膿みがたまってしまった場合、歯周病による歯肉の腫れによるもの、親知らずが原因で歯肉が腫れている場合などが挙げられます。
むし歯によるものに対しては、神経まで達していなければ詰め物や金属でのかぶせものなどで対応し、むし歯が神経まで達してしまった場合は神経を取るといった根の治療へと入ります。根の先に膿みがたまって痛みを引き起こしている場合は、その内圧を下げる行為、つまりは膿みの行き先を見つけ解放してあげることがその痛みをなくすことにつながりますので、かぶせてある金属を取って根の治療へと入るのが一般的です。
しかし、状況によってはそのお痛みが一時的な場合もありますので、すべてがすべて必ずしも金属を外すことは行わず、痛みの度合いや治療処置後の期間などといった状況から判断して、かみ合わせの調整や投薬で様子をみることもあります。歯周病による歯肉の腫れに対しては、先ほどと同じ内圧を下げるために切開して膿みを出すことを優先処置としますが、この場合もかみ合わせの調整や投薬で様子をみたりもいたします。親知らずに対しましては患部の消毒と抗生物質による投薬を第一選択といたします。(親知らずに関してはその項を参照なさって下さい)
一般的にはこの中に痛みの原因の大半が含まれると思いますが、もちろん例外もあります。身体と心は深く密接しており、大なり小なり人は何かしらの悩みを抱えて生きているわけですが、心の問題が大きくなった時に、舌や顎、場合によっては歯に対してこの「痛み」という症状を引き起こす場合があります。その際、私たちは患者さんの抱えておられる悩みを聞くようなことはいたしませんが、その身体と心との因果関係をお伝えし、患者さんが抱えておられるその悩みを違う方向に向けるよう、お話しをいたします。
また私たちは痛みの原因を探り、出来るだけその「痛み」という症状を速やかになくすよう努力いたしますが、患歯(原因となる歯)がわからない場合も当然のことながら起こり得ます。医学が急激に進歩したとは言ってもたかだか100年にも満たないといった浅い歴史であり、人体や病気の構造というものを全て網羅しているものではありません。
その時は痛みの度合いにもよりますが「待機的診断」と言って「確実にその原因がわかるまであえて処置しない」という診断・対応を行うこともあります。
つまり「怪しいから...」といった推測による処置はすべきでないと私は考えています。
しかしそのようなことは頻繁にあるわけではなく、通常は今まで学んだ知識と経験から痛みをなくすことが出来ております。私たちはその痛みの原因を探るべく、経験から来る五感を研ぎ澄ませ、それを裏打ちすべく視診や打診・X線診断・温熱診といった今まで培った知識からその痛みの原因を特定し、早急にそのお痛みを取り除くよう全力を尽くし努力いたしますので、もしお痛みでお困りの時はご連絡下さい。

詰め物がとれた

取れた詰め物の種類が、白い詰め物なのか、小さい金属なのか、大きな金属なのか、ブリッジなのかといった、取れた詰め物の種類によって処置方針が変わります。
原因も多岐にわたり、詰め物の維持形態の問題や、古い詰め物のセメントなどの崩壊による接着力の低下、歯の破折、むし歯によるもの、かみ合わせによる加重負担などがその原因の代表的なものとして挙げられます。白い詰め物であればその場で対応可能なことが多いですが、しみると言った症状がなく審美的にも気にならない場合は、状況によってはあえて詰めずにそのままにする場合もあります。
金属が取れた場合は、特に問題なければそのままつけることもありますし、取れた原因がむし歯や歯が欠けたといった場合は、再度作り直すこととなります。
ただし、金属の作製は途中歯科技工士さんが介入いたしますので即日処置ではなく数回治療がかかり、ブリッジになるとさらにそれ以上の時間・回数がかかります。またその歯の神経が残っているのか、神経がない歯なのかによっても治療内容が変わります。
X線で確認後、神経のない歯においては根の先に膿みがたまっていることもあり、その場合は根の治療が必要になる場合もあります。根の治療においての治療の介入の判断は非常に難しく、必ずしも「根の先に膿みがある」=「治療」ではないと私は考えております。
根の治療をすることによって確実に治るのであれば、私は治療の必要性を患者さんに強めに唱えますが、根の治療の成功率というものは、残念ながらそれほど高くはなく、どんなに頑張って治療をしたとしても、「再発」ということも起こりえるのが根の治療の介入を難しくしている理由です。数多く参加した講演会や勉強会での諸先輩方の20年以上の長期症例を拝見いたしますと、自覚症状はなくともX線上での根の先に膿みがあったとき、それが5年、10年単位で大きくなったり、小さくなったりとX線上では揺蕩っているようです。
これはその人の抵抗力が大きく関与しているからだと思われます。また、X線上で根の先に膿みがあっても無自覚な場合も多々ありますし、再治療を繰り返すということは、抜歯の大きな要因となってしまっている「歯根破折」へと近づいていきます。何度根の治療をしても治らない場合は、もしかしたらこの歯根破折が起きている可能性も考えられます。
この根の治療の介入の基準に関しましては人それぞれ違いますが、明らかに大きな病変であったり、排膿や咬合痛といった症状を伴う場合は介入すべきだと私は考えておりますし、自覚症状がなくても根の中の薬が年月と共に溶けてなくなっている場合などは治療に踏み込んだ方が良いのではないかと考えております。
また詰め物がとれてそのまま放置してしまった場合、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなり歯周病の悪化へとつながってしまったり、歯が動いてかみ合わせが変わってしまうことも起こりえますので、詰め物が取れてしまった場合は早めの対応を施す必要があります。

歯ぐきから血が出る

歯ぐきからの出血は主として歯肉炎・歯周炎が疑われます。骨が壊されていないものが歯肉炎、壊されたものが歯周炎。
抵抗力に大きく関与しているので20代以前の年齢層の方の多くが歯肉炎、2・30代以降の方の多くが歯周炎に罹患しているということになります。
共に自覚症状はなく、気づいたら骨の破壊がかなり進行していた...という方も中には見受けられます。
前兆として口臭やしみる、歯が動く、上手く噛めないといった症状がありますが、この「歯ぐきからの出血」もその代表的な症状の一つ。
歯ブラシは毎日されているとは思うのですが、その歯ブラシがはぐきにうまく当たらずに、プラーク(歯垢)の汚れが残り、はぐきへ悪さを引き起こすといったことが主たる原因ですので、この原因であるプラークを取り除けば出血は次第に軽減することとなります。
つまり歯ブラシの回数や時間を多く、また適切なブラッシングをおこなう事により出血は自然と落ち着いていきます。
またこれに不随する歯周病に関してですが、歯周病はよく治らない病気のように思われていますが、適切なブラッシングをすることにより時間はかかりますが、確実に治癒へと向かっていきます。
言い方を変えると、ブラッシングをしない限り歯肉炎・歯周炎は治りません。ブラッシングと言いますと一般的には汚れ落としの感が強いのですが、ブラッシングを長時間勃興することにより、汚れ落としから治療の意味合いを含んでいきます。
これは私が歯周病という病態を探っていく中で知り得た片山恒夫という人がその数々の長期症例によって証明しております。歯周病は歯石除去を繰り返しおこなったから治るものではなく、歯周外科をおこなったから治るというものでもありません。
また先ほど「ブラッシングは治療的意味合いを含む」と前述しましたが、歯周病の原因は多岐にわたるため、歯ブラシだけをひたすら続ければ治るというものでもありません。歯周病への対応は、現在「炎症」と「力」をコントロールすることが重要視されており、その中には「生活習慣」や「噛み合わせ」も含まれ、また、個人的な見解としましては「痛い」の項で記載した心身一如の言葉にありますように「こころ」の問題も大きく関与しているようにも思えます。つまり歯周病という病気はこれらトータルからアプローチする必要がありますので、治癒がとても難しい病気なのです。
もし、ご自分の中で生活習慣に小さな乱れがあると感じられた時、それを正すには相当な努力が必要だとは思われませんか?
そして一時の修正ならば頑張れば誰でもおこなえますが、それをこの先ずっと直し続けていくには、とても強い精神力が必要だと思われませんか?
つまり歯周病を治すということ、それは場合によっては、その人自身の過去の自分と振り返り、それを直すことを意味します。
細川歯科医院の目標の一つにこの「生活習慣の改善」を掲げている意味としましては、この歯周病を生活習慣病と捉えアプローチする必要性があると考えていることであり、そしてまた私が臨床心理学を学んでいる理由としましては、歯を通じた健康へのアプローチをするには「心の問題」を避けることは出来ないと考えたからです。
このように歯周病という病気は非常に奥が深く、一般に自覚症状が出ずに進行していく疾患ですので、もし出血が気になるようでしたらご連絡下さい。現段階での骨量の状態を把握し、ブラッシング指導だけで対応可能なのか、治療の介入が必要なのか、またはさらにそれ以上の介入が必要なのか、問診を含めたお口の状況から判断し、この先どうした方が良いのか、患者さまが気になっていることを今まで培った知識と照らし合わせて、自分なりにより適切なアドバイスをしていきたいと考えております。

親知らず

親知らずが痛いと言って来院される方も多くいらっしゃいます。
気圧変化によるものなのでしょうか、台風が近づいた時など同日に親知らずが痛いといって複数の方が来院されることも多々あります。
患者さまの中には、よくその日のうちに「痛い」=「抜歯」=「痛みが取れる」と思われる方が多いのですが、実は「痛い」「腫れた」といった急性症状の時は、歯を抜くといった観血処置は細川歯科医院では通常行いません。
その理由は、まず麻酔が効きにくいということ。腫れたり膿んだりしている状況では、親知らずに限らず、まず麻酔が効きにくいと覚えておいて下さい。
これは膿みのPhと麻酔薬のPhの相殺による影響と(学生時代のうろ覚えなので間違っていたらごめんなさい)、炎症症状による影響によるものと思われます。またもし仮に強引に麻酔をして歯を抜いたとしても、麻酔がきれた直後や抜歯などの観血処置後の数日は、痛みがなかった時に処置をおこなった時と比べ、どうしても痛みを伴いやすくなってしまいます。
つまり「痛み」や「腫れ」といった症状がない時の方が、抜く時も抜いた後も患者さまご自身が辛い思いをしなくてすみますし、私たちも麻酔が効かない患者さまに半ば冷や汗を出しながら何度も麻酔をして抜くことをせずしてすみます。
このような理由から、細川歯科医院では来院されてすぐに抜くといったことは通常いたしません。お口の状況を拝見し、もしも上顎もしくは下顎にある反対側の親知らずが出てきて歯肉を噛んで傷つけているのであれば、その出ている歯を少し削って傷ついた歯肉の安静化に努め、投薬にて症状が軽減してから抜くかどうか考えます。
もし歯肉が化膿し炎症を起こしているようならば消毒後、投薬にて様子をみた後、抜歯に踏み切ります。そのため、痛みや腫れをきっかけとして「抜こう!」と思って来院されたのですが、薬で落ち着いたため「気が変わってもう少し抜かないで様子をみたい...」という患者さんももちろんいらっしゃいますし、「痛みはとれたがこれを機に頑張って抜く!」という患者さんもいらっしゃいます。細川歯科医院内で統計をとったわけではないのですが、細川歯科医院に「親知らず」で来院された患者さまの多くが、痛みが引いたら抜歯を先延ばしにされているように思われます。そのように思われた患者さまに対しましては、一度腫れてしまった親知らずに関しましては、落ち着いても、またいつか腫れることが出やすいようですので、その旨はお伝えするようにはしております。「抜く」か「抜かないか」で悩まれたとき、私が一つの基準にしているのが、その人自身による「心構え」。
もし踏ん切りがつかないような時は、もう少しご自分の心構えが出来るまで時間をおくことをおすすめしております。同じような迷われる選択に関しての私の考えを付け加えておきますと、「削る」か「削らない」か、で迷ったときは削らない方を、そして「自費」か「保険」か、で迷ったときは保険をおすすめするようにしております。
ただ、患者さまが「抜く!」と決められても、全ての親知らずの抜歯を私が対応できるとは限りません。X線をみて親知らずの生え方によっては私ではなく、大学病院を紹介し、そちらで抜いた方が良い場合もありますので、ご連絡いたけましたらまずはお口の状況を把握し、そのお痛みや腫れを和らげることに努め、その後どうすべきか患者さまと話し合って考えていきます。

定期検診(歯石除去)

通常、多くの患者さんが「痛い・腫れた」といった悩みを抱えて歯科医院に来院されますので、この欄をお読みになられている方は健康観に対する意識の高い方かと思われます。歯の治療というものは削ることが多く、どうしても痛みを伴いがち。
そうならないために、またご自分の歯を出来るだけ長くお使いいただくために、今度は「予防」という概念を持つことが大切です。
「悪い歯を治すために歯医者さんへ行く」から「悪くならないために歯医者さんへ行く」という考えを持てるようになれば、お口を通した更なる健康へのアプローチが出来るのではないかと考えています。
また私は「歯を大事にされる方を大事にしていきたい」とも考えておりますので、このような健康への意識を高める考えを持たれる方が増えることを大変嬉しく思っています。
細川歯科医院で定期検診ご希望の「初診」の患者さまに関しましては、その患者さまの情報はまったくわかっておりません。
近くにお住まいなのか遠くにお住まいなのか、から始まり、歯医者さんに最後に行ったのはいつか、など、ちょっとした患者さまの情報から多くのことを推測し、あるときは仮説を立てながら治療に踏みこんだりするのですが、そのようなことが初めての患者さまでは全くもってわかりません。私たちが責任をもって患者さまのお口の健康をサポートしていくには、やはりある程度、「最低限の情報」というものは必要だと感じています。
そのためまったくの初診の患者さまに関しましては、問診を含めた全体的な把握が必要となってしまい、初診日当日はお時間的に「お口の資料収集とカウンセリングのみ」となってしまいますことを、どうかご了承下さい。
ここでいう資料収集にはX線検査も含めますが、当院では「悪いところを処置するために撮影する」のではなく「悪いところを処置しないために撮影する」と少しニュアンスが違うことをご理解下さい。またカウンセリングにおきましては、細川歯科医院の治療の流れと、ご自分でご自分の歯を守っていくための考え方を解りやすく説明いたしますので、是非ともお受け頂きたいと思います。
全体的な状態確認後、問題が認められなければ歯石除去を行い、当院での処置は終了となります。
問題が認められた場合、その部位を治療すべきか、このまま経過を追うべきかは、患者さまとの話し合いのもと、患者さまのご意向に沿った流れとなります。
もちろん、見つけた問題すべてを処置しなければならないというわけではありません。
患者さまの中には「先生の気になるところ全てを治して下さい」とおっしゃられる方もおられます。
私たちは勉強すればするほど、講演会に参加すればするほど、そして勉強会に参加し症例を多く見れば見るほど、目が肥えていき、今までは気にならなかったことが気になるようになります。
その気になる部位を患者さまのご要望に沿って「徹底的」に治すとなると、ほぼ全ての歯を治療するようになってしまい、これはオーバートリートメントへとつながる危険性を秘めています。徹底的な治療をしたことによりすべての患者さまの歯すべてが長持ちするかと言えば、必ずしもそうとも限りません。
もし仮に処置の必要性を感じた問題が見つかり、現時点では痛みや腫れなどの症状がなくとも今後すぐにトラブルが出ると予想される場合に関しましては治療の必要性を強調いたしますが、この場合も治療に踏み込むか踏み込まないかは、患者さまのご意向に沿う形となります。
歯科治療というものは、踏み込むとなりますとどうしても時間がかかってしまいますので、もしもお仕事やご家庭がお忙しい場合は事前にその旨をお伝え下さい。
応急処置をすべきかどうか、その来院出来るまでの期間を考慮に入れ、その人にあった対応をしていきます。私たち歯科医は誰しも良くなることを願い治療に踏み切りますが、それぞれの治療に対する考え方が違うため、それは自ずと治療内容も変わってきます。
そのため一つの医院に決めずに、その時その時で多くの歯科医院で治療を受けられますと、その時は良いのかも知れませんが、その先の事を考えますと患者さまにとっては良いことではありません。
やはり信頼できる一つの歯医者さんでじっくりと腰を据えて治される方が、先のことを考えるととても大事なことだと考えています。もしも、治療の必要性はあるのですが、細川歯科医院に通うことが難しいようならば、もちろん当院ではなく他院をおすすめする場合もあります。その時の状況でどうすべきか判断して参ります。
細川歯科医院における治療終了後は4~6ヶ月毎に定期検診を行い、悪くならないように努めていきます。また初診時に集めたX線は、2・3年毎に定期的に撮影し、微妙な骨の変化や現時点では削る必要がなく経過を追っているむし歯などの変化を見比べ、そこでまた治療に介入すべきかどうか考えていきます。

※費用に関してですが、初診時においては踏み込んだ治療がなければX線代を含めて大体2500円前後です。
定期検診(クリーニング)は2500円~3000円前後となっております。

むし歯

まず大事なことは、むし歯になってしまった原因を自分の中で考える必要があるということ。それなくしては幾ら治療したとしても必ず再発します。歯科の治療はやり直しの治療が大半を占めていて、その中にこのむし歯も含まれます。この原因を探ることをしていかない私たち医療従事者にも責任があるのですが、安易に削り、詰めて再発してしまったむし歯に関しましては、ある意味医原性疾患のようだと私は感じています。むし歯は全てが全て治さなければいけないと思われている方が多いのですが、むし歯の中には治さなくても良い、むしろ治さない方が良いむし歯というものもあります。原因を探らずに安易に治療をしてしまうと、その横からむし歯の発生を助長し繰り返しの治療を行うこととなり、最終的には歯を抜かざるを得ないという状況に陥ってしまいます。そのため細川歯科医院では、年齢や問診、お口の状況、X線写真、唾液の性状、むし歯の活動性・非活動性、歯間補助清掃道具使用の有無、患者協力度などを通して削るべきか、削らずに経過を追うべきか判断していきます。今述べた内容の一つ一つにむし歯を削るかどうかの理由が存在しており、一つのむし歯を削るかどうかはそれらトータルから判断すべきと私は考えています。お口を鏡で見て「黒い点が気になる」と来院される患者さんもいらっしゃいますが、その患者さんの多くは健康に対する意識が高く、むし歯ではなく着色であることの方が多いようです。私は唾液の持つ力というものを大切にし、それに期待しておりますので、安易な切削はしないよう心がけております。むし歯の進行というものは状況によっては至って緩慢に進む疾患であり、急を要する必要がない場合も多々存在いたします。私が卒業して予防を真剣に取り組む勉強会に属し学ばせていただいたことは、「安易に削らず、削るにしてもその基準で悩むこと」でした。むし歯を削る基準というものは今でも歯科医によって様々で、「削るむし歯は0本」と診断する先生もいれば「1本」と診断する先生もいらっしゃいます。中には「3本」と診断する先生もいるかも知れません。患者さん側としましては、気になる黒い点を「むし歯」と診断し治療してもらった場合と、「むし歯ではない」と診断し何もしなかった先生とを比べた時、説得力があり安心感があるのは、どうしてもむし歯と診断し治療してもらった先生なのではないでしょうか。そしてまた、かかりつけの歯医者さんに定期的に通院しむし歯0の状態でありつつも、たまたま違う歯医者さんに行った際にむし歯の存在を伝えられてしまった時、どうしても信じてしまいやすいのはかかりつけの歯医者さんではなく、むし歯の存在を示した歯医者さんなのではないでしょうか?しかし、前述したように、安易なむし歯の切削というものは、数年後の新たなむし歯の発生を助長することにつながってしまいます。このことからむし歯の状態によっては、あえて削らずに経過観察をすることも大切だと私は考えておりますが、その旨を理解していただくには、ここまで今述べたその内容と、まだこの項ではお伝えしきれていない内容などを患者さまにお伝えしなければならず、それを治療中のチェアサイドでお話しするとなるとかなりの労力を要し、患者さまがご理解いただけたかどうかを確認することも難しくなってしまいます。人によっては「削ってもらった方が安心」と思われている歯科治療、また別の人によっては「すぐに処置に入るイメージの強い歯科治療」と受けとめ方が人それぞれの歯科医院ですが、もちろんお話しで終わることも細川歯科医院では多々ありますので、もし気になることがありましたらご連絡下さい。

しみる

「歯がしみる」という主訴は最近、特に若い患者さんに多くあるように見受けられます。
この「しみる」という症状は、多くの患者さんが「むし歯」と思われて来院される方が多いのですが、必ずしもそうではありません。
一般的にこの「しみる」という症状はよくテレビのCM等で流れている、いわゆる「知覚過敏」と言われているものの方が多く見受けられます。
人は誰しも「くいしばり」や「歯ぎしり」を就寝時におこなったりするのですが、その度合いが大きくなると、この「しみる」と言う症状を引き起こします。
また通常、歯と歯は食事の時以外は接触していないのですが、常に接触している歯列接触癖というものも、その「しみる」原因の一つとして挙げられます。つまり、歯と歯の接触する時間が増えれば増えるほど、また歯に加わる力が強ければ強いほど歯への負担は増大しますので、この「しみる」という症状へとつながることとなります。この「力」が及ぼす影響はとても大きく、骨が丈夫ならば歯に何かしらの症状が、歯が丈夫ならば骨に何かしらの症状を引き起こします。
このような力が原因によるものに対する処置としましては、簡単にいいますと、その原因である力をなくせば「しみる」という症状は軽減していきますので、しみている歯の高さを落とすといった咬合調整をおこなったり、また全体的にしみる場合は就寝時にクッション剤の役割と力を分散させる目的としてマウスピースを装着したりいたします。
このような力が原因である「しみる」といった症状は、力への対応を施すと、時間がかかりますが確実に軽減していきます。
しかし、しみる度合いがかなり強く、力への対応を施したとしても軽減がなかなかされない方も中にはおられます。そのような方は、ご自分では気づかなくても、もしかしたら全てのストレスを自分自身で抱え込んでしまわれているのかも知れません。
もしそのような場合はご自分にあったストレス対処法が必要であり、もしそれが見つかれば心にゆとりが生まれ、いつしかこの「しみる」という症状はなくなっていくことと思います。「しみる→すぐさま薬を塗る→しみなくなった→またしみる→すぐさま薬を塗る→しみなくなった」では、原因を探らずに対応する一時的なものなので、いつしかまた繰り返しその症状が出てきてしまいます。
しかも、歯に対して何かしらの処置を施すということは、その処置内容によっては唾液の作用を妨げることとなり、場合によってはむし歯の助長へとつながりかねません。
このことから、もし、そのしみる度合いが少ないようであるならば、何も処置しないでその症状と上手く付き合うことも大切なのではないかと私は考えています。
今述べたことは原因が力によってしみる事に対してのみ、大まかに述べてきましたが、むし歯や歯周病によっても「しみる」という症状はもちろん現れます。
もし「しみる」ということでお悩みなのであれば、何が原因なのか探りどのようにすべきか共に考えて参りますのでご連絡下さい。

入れ歯が合わない

入れ歯の適合性は部分入れ歯か総入れ歯かによって変わり、また残っている歯と骨の量の状態によって大きく左右されます。
部分入れ歯は残っている歯にバネをかけるため、その歯の状態が悪ければ入れ歯の安定性が欠けることにつながり、また総入れ歯は残っている骨の量が少なければどうしても不安定になりがちです。
このため部分入れ歯においては、しっかりとした安定性を追求するために残っている歯の治療から踏み込むことが必要となりますが、その歯の状態が悪ければ、隣の歯との連結をおこなったり、場合によっては無理に残すよりは抜歯、あるいは高さをすっかり落として磁石などを取り入れて入れ歯の中に組み込んでしまった方が入れ歯の安定につながる場合も時としてあります。削らない・抜かない事はとても大切ですが、場合によっては削る・抜く方が全体的なバランスを考えると良いこともあります。細川歯科医院の最も得意とする分野はこのトータルでみた噛み合わせの治療です。しっかりとした入れ歯を作るために、残っている歯をどのように治療して、どのような噛み合わせにし、どんな入れ歯にしていくか。
多くの講演会や勉強会に参加し、多くの先輩方の症例から学ばせていただき、自分の臨床で数多く手がけ、治療を終えた患者さまから「しっかり噛める」と嬉しいお言葉を多くいただいております。
また入れ歯全般に言えるのですが、新たに作成した方がより安定する場合もあるのですが、そうではない場合も時としてあります。これは保険か保険外かにつながってしまうのですが、保険範囲から外れた自費での入れ歯においては、その人の合ったかみ合わせを古い入れ歯から探り、適正な位置に戻すことが時間をかけて行うことが出来ます。
つまり「噛みやすい・噛みにくい」といった患者さまの声を新しい入れ歯にフィードバックさせ、よりしっくりとくる入れ歯を数ヶ月かけて作ることが出来るのですが、保険範囲内では時間をかけることにどうしても制限が出てきてしまい、時間をかけてその人の適切なかみ合わせの位置を探り、その人に合った入れ歯を作ることが難しくなってしまうため、場合によっては「新しく作った入れ歯よりも古い入れ歯の方がしっくりくる」という場合も起こり得ます。そのため入れ歯を作るにあたっては、古い入れ歯での問題点をお聞きし、場合によってはあえて新しく作らずにそのままで様子をみることもあります。
また、「他院で総入れ歯を作ったが全然合わない」といって、多くの歯科医院を巡る方がいらっしゃいます。
多くの歯科医が何回も取り組んだにも関わらず入れ歯が合わないということは、今お使いになられている「それ以上の」入れ歯を、もしかしたら多くの歯科医が作ることは出来ないのかも知れません。
多くの患者さんが求めておられる総入れ歯の吸着は骨の量や粘膜の状態によって大きく変わり、また経年変化とともに骨の量は少なくなっていくため、私たちがどんなに頑張っても患者さんが追い求める総入れ歯を作ることが出来ないことも現実問題としてあり得ます。その場合はその状況を受け入れることも大切なので、患者さんにはその旨をやんわりとお伝えするようにしています。
もちろん骨の状態がしっかりしていれば、しっかりとした総入れ歯を作ることは可能です。今ご使用になられている入れ歯とお口の状態を見ることによって、作るべきかそのままで入るべきか、その人にあった適切なアドバイスが出来ると思いますので、もしお困りになられているのであれば一度ご連絡下さい。

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