細川歯科医院の根幹を支えるもう一つの大きな強みは、院長自身が持つ徹底したストイックさ、すなわち妥協を許さない探究心と強靭な精神力にあります。院長はもともと、物事を他人任せにすることを良しとせず、自分自身が心から納得できる水準に到達するまで、とことん掘り下げて追求し続けなければ気が済まない性格の持ち主です。その姿勢は歯科医師になる以前から一貫しており、学生時代から開業に至るまで熱中していた車の趣味にも色濃く表れていました。当時所有していたのは、漫画『頭文字D』で知られるAE86でしたが、単に運転を楽しむだけでは満足せず、整備や改造のすべてを自分の手で行い、エンジンクレーンを購入してエンジンを分解し、バルブタイミングの調整といった高度で専門的なチューニングにまで踏み込み、さらには車体の下に潜り込んでマフラー交換を行うなど、黙々と作業に没頭する日々を送っていました。車検においても業者に任せることなく、点検整備を一つひとつ自ら完璧に仕上げ、ユーザー車検を通すほどの徹底ぶりで、その探究心と責任感は並外れたものでした。
しかし歯科医院の開業を機に、院長はそれほどまでに情熱を注いでいた車の趣味をきっぱりと断ち切ります。限られた時間とエネルギーのすべてを「歯科医療」という仕事一本に注ぎ込むと決めたからです。対象が車から歯科医療へと変わっただけで、細部にまでこだわり抜く職人気質と、納得いくまで追求し続ける姿勢はそのまま現在の精密で妥協のない治療技術へと受け継がれています。院長にとって歯科臨床は単なる仕事ではなく、人生をかけて没頭する対象であり、ある意味では趣味に近い存在でもあります。さらに、「どのような患者さんとも真剣に向き合う」という自身の理念を貫くためには、歯科医師自身が強い精神力を備えていなければならないと考え、その鍛錬の一環としてランニングを生活に取り入れました。健康維持を目的として始めた運動も、持ち前の凝り性によって次第に心を鍛える修行へと変わり、やがて160kmのトレイルランニングや200kmを超える超ウルトラマラソンといった、常人では考え難い過酷な競技に挑戦するまでに至りました。極限状態の中で自分自身と向き合い、逃げ場のない状況で心を鍛え抜いてきた経験は、現在の診療における精神的な強さにも確実につながっています。
現在は8歳と5歳の子育てを最優先とし、本格的なトレーニングや大会出場は一時的に休止していますが、その鍛え上げられた精神性が失われることはありません。興味を持ったことはとことん追求し、常に完璧を目指す性格ゆえに、難易度の高い治療計画や重要な仕事に取り組む際には、時として二、三日ほとんど寝食を忘れて没頭してしまうこともありますが、そうして練り上げられた仕事の質と、困難から決して逃げずに正面から立ち向かうストイックな姿勢については、誰にも負けないという揺るぎない自信を院長自身が持っており、その姿勢こそが細川歯科医院の診療の質を根底から支えています。その揺るぎない信念と精神力が、細川歯科医院の医療の質を支えているのです。