
「親友以上、家族未満」という言葉には、院長が長い時間をかけて悩み、考え抜いた末にたどり着いた、患者さまとの理想的な関係性への答えが込められています。
細川歯科医院の院長は、歯科医療の技術を磨くことはもちろん、日々の診療や医院運営、さらには人との関わり方そのものに対しても、常に真剣に向き合い、その時点での最適解を導き出す姿勢を何よりも大切にしてきました。それは、歯科医師と患者さまという立場の違いを超えた、「人と人との関係づくり」においても同様でした。
開業当初から、院長の心を占めていた大きな問いがあります。
「患者さまにとって、自分はどのような存在であるべきなのか」
「そして、医療の現場において、どのような距離感が最も信頼につながるのか」
この問いは簡単に答えが出るものではなく、院長は来る日も来る日も、自問自答を繰り返してきました。
最初に思い浮かんだのは、「患者さまを友達のように大切に想う」という関係性でした。医師と患者という壁をできるだけ低くし、友人同士のような親しみやすさを持てば、治療に対する不安や緊張も和らぎ、お口の悩みを気軽に相談していただけるのではないか、と考えたのです。
しかし、実際に強い痛みや深刻な不安を抱えて来院される患者さまと向き合う中で、院長の中に一つの違和感が生まれました。あまりにも「友達」という感覚に寄り添いすぎてしまうと、予約という大切な約束事に対する意識が曖昧になったり、医療現場として必要な緊張感や秩序が損なわれたりするのではないか、と感じるようになったのです。
次に考えたのは、多くの医療機関でも理想として掲げられる、「患者さまを家族のように想う」という考え方でした。家族を想うように、見返りを求めず、全力で寄り添う姿勢は非常に尊く、医療の本質にも通じるものがあります。
しかし、それを現実の医院運営に当てはめ、深く考えたとき、院長は大きな矛盾に突き当たりました。本当の家族であれば、夜中であろうと休日であろうと、助けを求められれば迷わず駆けつけるでしょう。
しかし、医院という組織として、すべての患者さまに対して同じように私生活を顧みない対応を続けることは、長期的に安定した医療を提供するうえで、物理的にも精神的にも限界があります。
「家族」という言葉を安易に使うことは、むしろ無責任になってしまうのではないか。院長は、その点にも真剣に向き合いました。
そうした試行錯誤と葛藤を重ねた末に、院長がたどり着いた答えが、「親友以上、家族未満」という独自の距離感でした。
単なる友人ではなく、その人の人生や背景に深く思いを巡らせ、時には厳しいことも含めて真剣に向き合う、"親友"としての情熱を持つこと。そして、家族そのものにはなれなくとも、家族の一歩手前の存在として、最大限の敬意と慈しみをもって接すること。
この明確な境界線を自分の中に定めたことで、時間や規律といった医療現場に欠かせないルールを守りながらも、心からの親愛をもって患者さまと向き合えるという、揺るぎない納得感が生まれました。
現在、細川歯科医院では、この「親友以上、家族未満」という考え方を、院長だけでなくスタッフ全員が共有し、日々の診療に取り組んでいます。近すぎず、しかし決して遠くもない距離を保ちながら、誰よりも親身に寄り添い、一人ひとりの健康と人生に真剣に向き合うこと。
その誠実で一生懸命な姿勢こそが、長く信頼される歯科医療の土台になると信じています。これからも私たちは、患者さまと共に歩み続け、丁寧で真心のこもった医療を提供してまいります。
