
細川歯科医院が、なぜこれほどまでに「予防」に情熱を注いでいるのか。その背景には、院長自身がこれまでに積み重ねてきた経験と、日々の診療の中で磨き上げてきた独自の予防システムがあります。本稿では、その想いと考え方を、一つひとつの言葉に心を込めて、できる限り丁寧にお伝えいたします。
かつての歯科医療は、「歯が痛くなってから行く場所」「困ったときに駆け込む場所」という認識が一般的でした。
しかし近年では、「特に痛みはないけれど、今の状態を確認してほしい」「将来も健康でいるために、定期的に診てほしい」と考える、意識の高い患者さまが確実に増えてきています。
これは、お口の健康が全身の健康と深く結びついていることが、少しずつ社会に浸透してきた証であり、私たちにとっても非常に喜ばしい変化です。
一方で、「予防が大切なことは分かっているけれど、どの歯科医院を選べば本当に安心できるのか分からない」といった戸惑いの声を耳にすることも、決して少なくありません。
だからこそ私たちは、当院が実践している予防歯科の考え方と、その裏側にあるこだわりを、包み隠さずお伝えしたいと考えています。
細川歯科医院では、患者さま一人ひとりに専任の歯科衛生士がつく「担当制」を採用しています。
定期的なメインテナンスを通じて、お口の中の状態を数か月、あるいは数年という長い時間軸で継続的に記録し続けることで、ご本人でも気づかないようなわずかな変化や、将来的なトラブルの兆しを早い段階で捉えることが可能になります。これは、単発の診察では決して得られない、大きなメリットです。
そして、当院の予防体制において、最も重要な要素の一つが、「クリーニングの前に、必ず院長が直接お口の状態を確認する」という工程です。
私は歯科大学卒業後、早い段階から歯周病治療や予防医学の重要性に強い関心を持ち、数多くの勉強会や研修に参加し、研鑽を積んできました。
そこで培われた「歯肉やむし歯を診る目」は、単に表面の汚れや見た目のきれいさを評価するものではありません。
その汚れが、たまたま付着した一時的なものなのか、それとも長い時間をかけて蓄積されてきたリスクの表れなのか。
歯肉のわずかな腫れや色調の変化、歯周ポケットの深さの微妙な違い、さらには見逃されがちな初期むし歯の兆候までを含め、まずは私自身が責任をもって厳密に確認します。
もっとも、院長一人の視点に頼ることはありません。私の診察の後には、日々のメインテナンスを通じて患者さまのお口を熟知している担当歯科衛生士が、クリーニングを行いながら再度細部までチェックを重ねます。
この二重の確認体制によって、見落としのリスクを限りなく減らし、問題が大きくなる前に対処することができるのです。
私がここまで「診る目」にこだわるようになった背景には、忘れることのできない原体験があります。歯科医師として歩み始めたばかりの頃、歯周病学の権威であり、『歯肉を診る』の著者としても知られる三上直一郎先生の講演会に参加した際の出来事です。
最前列でスライドを見つめていた私に、先生は問いかけられました。「この症例をよく見てください。歯の表面はピカピカに磨かれているのに、歯肉だけが真っ赤に腫れている。この矛盾した状態の理由が分かりますか?」。
当時の私には、その答えがすぐには分かりませんでした。
先生が静かに語られた言葉は、今でも強く心に残っています。「この患者さんは、普段はあまり歯を磨かない。でも、歯医者に来る直前だけは一生懸命に磨いた結果です。だから歯はきれいに見えます。しかし、歯肉の炎症は嘘をつきません」。
このエピソードは、私に大きな衝撃を与えました。歯肉の状態には、患者さまの日々の生活習慣やセルフケアの積み重ねが、驚くほど正直に表れます。
見た目を整えるだけではなく、その奥に隠れた真実を見抜くことの重要性と、それを担う歯科医師としての責任の重さを、私はこのとき深く胸に刻みました。
予防歯科を徹底することは、将来の痛みや大がかりな治療、高額な医療費を避けるためだけのものではありません。何よりも、ご自身の天然の歯を、生涯にわたって守り続けるための、最も確実な道です。
細川歯科医院は、患者さまが安心して大切な歯を任せられる存在であり続けるために、この妥協のない予防体制を、これからも変わることなく守り続けてまいります。
※なお、初めてご来院いただく際には、まずお口全体の現状を正確に把握することを最優先に考え、詳細なチェックや広範囲のX線検査を中心に行います。
そのため、本格的なクリーニングは二回目以降の受診からとなりますが、これは最善で無理のない治療計画を立てるために欠かせない大切なステップです。どうかその点をご理解いただけましたら幸いです。
