細川歯科医院ブログ

「再び戻ってきました」――その一言に思う、歯科医院で大切にしたいこと

先日、メインテナンスで来院された患者さんがユニットに座り、最初の挨拶のときににこっと笑って「再び戻ってきました」とおっしゃいました。
その一言がとても印象に残っています。

カルテを確認してみると、最後に来院されたのはおよそ1年半ほど前。
細川歯科医院では、基本的には4ヶ月ごとのメインテナンスをおすすめしています。
もちろん、患者さんのお口の状態や生活スタイルによって、もう少し短い間隔の方もいれば、半年後や1年後という方も少なくありません。

ですので、1年半ぶりにお会いすること自体は、実はそれほど珍しいことではありません。
むしろ「少しお久しぶりですね」くらいの感覚です。

ただ、お話を詳しく聞いてみると、この1年半の間に会社の近くの歯医者さんに通われたことがあったそうです。
当院と同じような感覚でメインテナンスのつもりで行かれたところ、診察のあとすぐに「奥歯にむし歯が2つあります。なので治しますね」と言われ、その場で治療が始まったとのことでした。

もちろん、むし歯があれば治療が必要なこともあります。
ただ患者さんとしては、「メインテナンスのつもりで来たのに、あっという間に治療が始まってしまった」という感覚だったそうで、そのことに少し不信感を覚えたとのことでした。
そして、「やっぱりここが安心できる」と思って、当院に戻ってきてくださったそうです。

実はこういったお話は、ときどき患者さんから耳にすることがあります。
「気がついたら治療が始まっていた」「断りづらい雰囲気だった」というような声です。

もちろん、実際には先生側もきちんと説明をしていることが多いと思いますし、患者さんの意見をまったく聞かずに治療を進めているわけではないと思います。
ただ、もしかすると患者さんが「NO」と言いづらい空気になってしまっているのかもしれません。

歯科医院に来るだけでも、少なからず緊張される方は多いものです。
そんな中で、患者さんが自分の気持ちを言いやすい雰囲気をつくれているかどうか。
これはとても大切なことだと思います。

忙しい日が続くと、どうしても診療の流れを優先してしまいがちになります。
自分自身も、患者さんがゆっくり話せる空気をきちんと作れているだろうか、と時々考えることがあります。

こうしたお話を聞くたびに、「当院ではどうだろう」と改めて背筋が伸びる思いになります。

患者さんの声をきちんと聞くこと。
納得していただいた上で進めること。
そして、安心して通っていただける場所であり続けること。

「再び戻ってきました」と笑顔で言っていただけたその言葉を大切にしながら、これからも一人ひとりの患者さんと丁寧に向き合っていきたいと思います。