細川歯科医院ブログ

院長室の小さな世界

昔、院長室でカエルを飼っていたことがあります。ベルツノガエルという泳げない種類のカエルで、オタマジャクシの頃から育てていました。見た目はちょっと怖いようでいて、動きはどこか愛嬌があり、特に餌を飲み込むときの仕草が本当に可愛かったのを覚えています。まるで「ごくん」と言っているようなその瞬間が見たくて、つい何度も餌をあげてしまったものです。気づけば6〜7年は一緒に過ごしていたでしょうか。今はもうそのカエルもいなくなってしまいましたが、あの独特の存在感は今でも忘れられません。

今はその代わりに、フラワーホーンという頭にコブのある魚と、オオクワガタのペアを飼っています。フラワーホーンは僕の姿を見ると、水槽の中を嬉しそうに動き回ります。まるで「ごはん、まだ?」と言っているようで、その人懐っこさが可愛くて仕方ありません。一方で、オオクワガタはいつも土や水苔の中に潜っていて、ほとんど姿を見せません。これを「飼っている」と言っていいのか、時々わからなくなるほどですが、来年の繁殖を目指してじっくり見守っています。

ちなみに、家族で出かけたときに採取したカブトムシたちは残念ながら繁殖できずに死んでしまいました。でも、そのとき一緒に捕まえたコクワガタのメスがどうやら卵を産んでいたようで、最近になって数匹の幼虫を確認しました。まだ何匹いるのかはわかりませんが、あと1〜2ヶ月もすればマット(土)を交換する予定なので、そのときに数を数えてみようと思っています。小さな命がまた新しく動き出していると思うと、来年が少し楽しみになります。

生き物を飼うというのは、ただ眺めて癒されるだけでなく、季節の流れや命の循環を感じさせてくれるものだと思います。院長室の片隅にある小さな世界で、今日もそれぞれの命が静かに息づいています。